これは、上海の一般的な薬局。西洋の薬と同じように生薬のコーナーがあり、見るからに元気いっぱいの薬剤師さんが相談にのってくれます。美容やインフルエンザ予防など、目的にあった生薬を進めてくれ、ゲットした生薬はお茶やスープなどへ。中医学の知恵は“おばあちゃんの知恵”のように取り入れられ、各家庭において「医食同源」が実践されています。
これは、食品スーパーの一画。漢方薬の材料でもある「蓮子(れんし)」が量り売りされていました。蓮子とは蓮の実のことで、下痢止めや不眠に効く食薬。売り場には効果効能までしっかり書かれています。
日本なら、こんなことはありえないこと。薬の成分なら薬剤師さんからでないと買えないし、食品なら効果効能はうたえません。
「中国って(規制が)ゆるいな」と感じますか?
私は「やはり本場はちがうな…」としみじみ感じてしまいまいした。
中国の医療制度は、毛沢東に時代に大改革がなされました。それまでは日本と同様、西洋医学中心でしたが、「伝統の中医学は非常に価値のあるもので、大切にしなければならない」と宣言。中西医結合がなされたのです。
それを機に中医学の専門大学がつくられ、中医と西洋医には同等の資格が認められるようになりました。患者は中医と西洋医を目的に合わせて使い分け、医師たちも協力し合って適切な医療が施されるようになっています。
こうした土壌があるためか、一般の人も中医学の知恵に精通している人が多いよう。実践しやすい環境も整っています。
高齢化が進む日本では、国家予算における医療費の増大が問題となっています。病院に行く前の「養生」の発想は、これからますます必要になってくるでしょう。この点は、中国に見習うべきところがあるのではないか…。私はそう感じています。
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