体のこと、心のことがちょっと気になる…
そんなときに食べたい食材たち(五十音順)
<微温/辛・苦/肝・腎・膀胱>
うどは別名:独活といい、下半身のしびれや痛みに用いる薬として有名。中医学で関節の痛みの原因は「風湿」の停滞であるとされ、うどにはそれを取り除く作用をもつ。かぜの初期の頭痛や関節痛、悪寒にも用いる。
●食べ方
皮をむき、スライスして酢水にさらし、酢味噌和えなどで。むいた皮はきんぴらにしても。
<温・甘/肝・腎・脾・肺>
体を温める力である「陽気」を補い、腎を助ける。精力低下、腰膝の衰え、冷えなどの老化の症状を抑える。冷えによる胃痛、食欲不振のほか、母乳の出が悪いときにもおすすめ。
※殻には血中コレステロール値の上昇を抑え、疲労回復にいいタウリンが豊富。
※動脈硬化や認知症予防で注目されるDHA、EPAも豊富に含む。
※赤い色素は抗酸化物質のアスタキサンチン。老化防止に有効。
<平・甘/脾・胃>
消化機能を主る「脾」「胃」を元気にし、余分な湿気を取り除く。解毒、水分代謝をよくする。食欲不振、嘔吐・下痢、足のつりやすい人に。水虫、吹き出物などに。潤いを生み出す作用もあり、口の渇きを癒す。また、産後の母乳の出をよくする作用も。
<涼・辛・苦/肺・肝・腎>
消化機能を助けて胃腸を元気に。腸を潤し、便通をよくする。疲労や疲れによる食欲不振、虚弱体質の便秘、おなかの張りに。
<平・甘・鹹/肝・腎>
体を潤し、血を補い、熱を冷ます作用の「陰」を補う性質があある。ストレス、イライラによる精神不安や不眠に。甲状腺腫やリンパの結核などに用いられてきた。
※牡蠣の殻の「牡蠣(ぼれい)」は、漢方薬の材料で、精神不安、不眠、めまい、耳鳴り、熱性けいれん、リンパの結核のほか、汗止め、おりものを止める作用が。
<温・甘/胃・腎>
気を補い、消化機能を助ける。胃腸の自律神経失調、嘔吐などに。便秘予防にも。
※かぼちゃは、野菜の中でも栄養価の非常に高いのが特長。肌や粘膜を丈夫に保つβーカロテン、ビタミンB1、B2 、不老のビタミンといわれるビタミンBのほか、カルシウム、鉄分も含んでいます。
<微寒/甘・微苦/肺・肝>
熱のかぜでのどが痛いとき、目が乾く、充血する、かすむといった症状に用いる。肝の陽気が上がって起こるのぼせやふらつきにも。
※特に目にいい薬として有名で、かすみ目、ドライアイのときは、枸杞子と一緒にお茶にして飲むのがおすすめです。枸杞子、菊花を使った薬には、潤して目を養う「杞菊地黄丸」があります。
【平・甘/肺・胃・大腸】
血液の熱を取り除き、各種出血症状を止める。活血(血の巡りをよくする)作用もあり、血管をきれいにしてくれる。肺を潤し、消化機能を助けたり、便通を促したりといった働きも。便秘、高血圧、動脈硬化、心臓病、貧血、眼底出血などに勧める。
※『本草綱目』には、「木耳は桑、槐、楮、楡、柳の五木に生ずる」とあり、特に桑に生じる「桑耳」は、「顔面の黒斑」に効くとの記載があります。このことから、シミの予防やケアにいい食材と考えます。
<平・甘/帰経はキノコにより異なる>
きのこは総じて気を補う補気の食材。消化機能をサポートして、気の低下による食欲不振やげっぷ嘔吐、胃痛に◎。免疫力UPにも。
※食物繊維は豊富。
※免疫力のアップに効果があるβ-グルカンが豊富。特に舞茸に多い。
※サルノコシカケ科の霊芝には補気精神安定効果、咳や喘息を止める効果がある。
<平・甘/胃・腎>
気を補い、消化機能を助ける。消化不良、疲れなどに。
※キャベツは、胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の修復を助けるといわれているビタミンUが豊富です。
※葉の緑の部分にはβカロテン、アミノ酸、カルシウムが豊富。
※芯の周りはビタミンCが多く含まれます。
<涼・甘・脾・胃・大腸>
余分な熱を取り除き、解毒する。潤いを補いながら水分代謝を助け、むくみを予防する。肌を潤す美肌食材でもある。熱病の渇きやのどの痛みの際にも◎。
*きゅうりにはカリウムが豊富に含まれ、ナトリウムを排出してむくみ解消に効果がある。
<温/辛・甘/肺・脾・肝>
気の巡りをよくする働きがあり、イライラ、憂鬱に◎。咳、痰、二日酔い、消化不良などにも。
*その色、形から富・金運を招く縁起物と考えられてきた。中国では、旧正月に金柑を飾る風習があるとか。日本でも、金柑の寒露煮はお節料理の定番。
*金柑のはちみつ漬け
約同量のはちみつ、レモンのスライスとともに漬け込む。2~3日して汁が上がってきたら食べられます。
*金柑のコンポート
金柑のヘタをとり、縦に切り込みを入れて種をとる。沸騰した湯で5~10分ゆで、冷水にさらして苦味を抜く。水100㏄、グラニュー糖100gを混ぜて鍋で加熱したシロップに浸ければ出来上がり。ハチミツ漬けより柔らかく食べやすい。
<平/甘・苦・渋/肺・腎>
咳、喘息を鎮め、痰を取り除く。おりもの、頻尿、尿失禁にも。呼吸器官にかかわる「肺」に作用するので、咳や痰の多いかぜのときに◎。
*銀杏のとれるイチョウの葉は、高脂血症や高血圧にいいとされ、抗酸化作用、抗菌・抗ウイルス作用がるという報告があります。銀杏は薬効が強いため、「脾・胃」の弱い人は多食を控えて。
●食べ方
炒って皮をむいて食べるのが一般的ですが、電子レンジを使うと簡単! 紙の封筒に銀杏を入れてレンジに。パンパンとはじける音を確認しながら、だいたい1~2分加熱すると殻がきれいにむける!
<平/甘/肝・腎・肺>
「腎」に蓄えられた「精」と、「肝」の「血」を補う。潤いを補う働きがあり、特に目にいい食材として知られる。「肺」を潤し、咳を止める働きもある。足腰無力、耳鳴り、かすみ目、咳に。
*枸杞子は「陰液(体のうるおい成分)」を補う性質が。茎、根は「地骨皮」という中薬で、微熱やほてり、のぼせの薬として使われます。ほてり、寝汗などが出る更年期の症状におすすめ。
●食べ方
ドライフルーツとしてそのまま食べる、お茶やスープに入れるなど。水で戻して炒め物やスイーツなどに入れても◎。鮮やかな赤が料理に華を添える。
<平・甘/脾・腎>
水分の代謝をよくし、むくみや腹水、関節の痛み、黄疸に。体の潤い成分である陰・血を補い、巡らすことにより、陰潔不足によるふらつきや月経不順をケアする。血の巡りをよくすることで、水虫や吹き出物などの症状にも用いる。
*過食すると胃腸に負担がかかるので注意。
*しょうゆ黒豆
黒豆1カップ(乾燥)を一晩以上水に浸す。鍋に黒豆、たっぷりめの水(黒豆がしっかりかぶるくらい)、しょうゆ大さじ2、砂糖小さじ1を入れて柔らかくなるまで煮る。そのまま食べても、サラダなどの具材にしても◎。2週間程度保存可。
<微寒/苦・甘/心・肝・肺>
血の巡りを助け、尿の出をよくする。痰のからまる咳や生理痛、便秘にも有効。
※中国のくわいは日本のくわい(写真)と異なり、中華料理に入っているしゃきしゃきした歯ごたえのもの(缶詰にあり)を指します。
※くわいは芽がまっすぐ上に伸びることから、立身出世を象徴する縁起物とされ、正月などによく食べます。
<温・辛・甘/肝・心>
血の巡りをよくする効果が非常に高く、血瘀(血の滞り)による生理夫人、生理痛、産後の腹痛、出血などに用いる。腸を潤し、便秘を改善する。
※妊婦には禁忌。
※紅花に似た「サフラン」は、血の巡りをよくする効果、肝と心に作用する点は同じ。寒性なので熱病の意識不明や煩熱の精神不安などのときに◎。
<平・甘・辛/大腸・胃>
水の停滞によって生じる「痰」を取り除く。リンパ節腫などに。血便や糖尿病、下痢などにも。消化不良や便秘にもすすめる。
*食べ過ぎるとおなかが張り、胃痛になるおそれがあるので注意。
<温(熱)・辛/肺・腎・脾・胃>
おなかの冷えをとる働きがあり、冷えによる嘔吐や下痢に効果的。関節や筋肉の冷えや麻痺にも用いる。経絡を温めることから、生理痛、おなか、四肢の痛みにも。おなかの虫(寄生虫)による腹痛にもおすすめ。
※中国ではイヌサンショウなどの実を乾燥させた花椒が一般的。
※日本では、初夏に出回る実山椒や、うなぎの共の粉山椒が一般的。
*山椒のしょうゆ漬け
実山椒の時季にまとめ買いし、茎を取り除いてひたひたのしょうゆに漬ける。1~2週すると味が染み出ておいしい。調味スパイスに。
<温/辛/肺・脾・胃>
体を温め、発汗作用のある辛温解表の食材。寒気のするかぜのひき始めや、咳、吐き気、イライラによるのどのつまりなどに用いる。
※薬膳で、しそは魚介類(特にカニ)の毒を消す食材として知られています。刺身に添えるのも納得!
※ビタミン、ミネラルが豊富な野菜で、特にβカロテンの含有量はピカイチ。
※香りの成分には防腐作用があります。
※しその実からとれる油はオメガ3のαーリノレン酸で、抗アレルギー作用が。またしそに含まれるポリフェノールにも花粉症の症状を和らげる作用があることがわかっています。
<温/辛・甘/肝・腎・心・脾・胃>
温め効果はピカイチ! 「腎」に蓄えられた陽気の不足による冷え、腰膝のだるさ、頻尿などに効く。冷えによる胃痛、腹痛にも有効。温めることで経絡や血液の巡りを助けるため、月経痛などの悩みにも盛りいる。
※桂皮はクスノキ科のケイの枝皮を乾燥させたもの。同じ木の幹の皮を乾燥させたものを「肉桂」といいます。食用で用いるのは桂皮のほう。肉桂<体熱>より温め作用、効き目がおだやか。
<温・辛/肝・脾・胃・腎>
腎を温め冷えを取り除く。関節や筋肉の冷え、腰痛、生理不順に。気の巡りをよくして痛みを止める働きも。冷えによる胃痛、腰痛、生理痛に。胃の働きを助け、嘔吐、食欲不振、下痢にも用いる。
※フェンネルは西洋ハーブとしてもポピュラーで、冷えによる婦人科系のトラブルや消化不良などに用います。パンやピクルス、カレー粉などに。
<微温・辛/脾・胃・肺>
発汗を促す食材で、かぜの初期にとると汗を出して風の邪気を追い出すことができる。温める性質は、冷えによる胃痛、嘔吐、食欲不振に効果的。肺を温め、咳や喘息を緩和する。カニや魚の毒による舌の腫れをとる。
※生のしょうがにはジンゲロールオールという成分が含まれています。ジンゲロールは加熱するとショウガオールという成分に変わり、温め効果がさらに高まります。
<寒・甘/肺・胃・腎>
熱をとり、体の水分(津液)を生む作用が。肺を潤し渇きを止め、水の停滞をとる作用も。利尿効果があり、尿の出をよくする。空咳、口渇、煩躁、むくみ、おなかの張り、排尿痛などに。
<涼・甘・辛/肺・胃>
熱を冷ます性質のほか、利尿、止血作用をもつ。熱っぽい咳、黄疸、のぼせ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にもおすすめ。
※セロリにはアビリンという精油成分が含まれており、その香りは精神不安、イライラ、不眠などに効果があります。
※ビタミンC、B群、ミネラルは葉のほうに豊富なので、捨てずに食べるのが◎。
<平・甘/脾・胃>
水分代謝を促し、消化機能を元気にする。むくみ、尿の出が悪いといった症状に。疲れによる食欲不振にも。
※豆類は、食べ過ぎるとおなかにガスがたまりやすいので、おなかのはりやすい人は食べ過ぎないようにします。
<涼・辛・甘/肺・胃>
脾胃の機能を強化して消化を促す。おなかの張り、食欲不振、げっぷ、胸やけ、吐き気、嘔吐、大便失調に。肺の熱を取り除く働きもあり、気管支炎や結核などの呼吸器疾患にも。瘀血をとる効果もあり、高血圧、脂質異常、心臓病、糖尿病などに。
※大根は気を減らすとされ、人参や山薬などで気を補いたいときは、一緒に使わないことが原則です。
※大根の性質には諸説あり、『本草綱目』では<温>とされています。
<平・甘/肺・心・脾・肝・腎>
体の潤いのもとである「陰液」を補い、乾燥を防ぐ。喉を潤して嗄れ声を治したり、喉の痛みや咳を鎮めるのにおすすめ。血を補って精神を安定させる作用があり、不眠にも◎。胎動不安やリウマチにも勧める食材。
※現代栄養学で卵は栄養価が高いことから「完全栄養食」と言われますが、薬膳でも五臓のすべてに働くのが特長です。
<温・辛・甘/脾・胃・肺・心>
「気」の巡りを促し、消化を助ける。食欲不振、腹脹、下痢、食べ過ぎの消化不良に。
※辛味成分の硫化アリルには、ビタミンB1の吸収を助けて新陳代謝を促したり、血液をサラサラにしたりする作用や、抗菌作用、かぜ予防効果があります。ただし、加熱によって成分が変わるので、この効果を期待するなら生食が◎。水でさらすときは短時間に。
気血の巡りをよくして、血行を改善する。血の滞りによる婦人科系の悩み、首肩の痛みなどに。
※カレー粉に入っているターメリックはウコンの仲間ですが、漢方薬に用いる「鬱金」とは異なり「姜黄」という名称のものです。「鬱金」は体を冷やす性質がありますが、ターメリックの「姜黄」は温める性質があるので、冷えには後者がおすすめ。
<平・甘・酸/肺・肝・脾>
潤いを与え、渇きを止める性質があり、肺や腸の渇きにいい。ほてりなどをもたらすこもった熱をとる。渇きを癒すことから、乾燥便秘や皮膚の乾燥・痒みにもおすすめ!
<涼・苦・甘/心・肺・胃>
体にこもった熱を冷まし、渇きを癒す。利尿効果があり、消化を助け、下痢を緩和する働きも。頭痛やめまいを取り除いたり、目をクリアにしたり、イライラを取り除く作用も。腸炎、肝炎、高脂血症などに推奨される。
※ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、Pが豊富に含まれる。また、活性酸素を除去する働きのあるポリフェノール、食物繊維、カフェインも含まれる。
※『神農食経』には、「茶葉は利尿効果があり、痰と熱をとる。口の渇きを癒し、飲むと眠気がさめ、力が増して心情が愉快になる」とある。
※砂糖と合わせると効果が薄れるので、甘味は控えめに。
<微寒・甘・淡/肺・大腸・膀胱>
利尿、熱を取り除く、解毒するといった作用があり、熱中症のときのむくみ、尿量が少ない症状にいい。潤いを生んで渇きを止めるため、糖尿病などの口の渇きにもおすすめ。
※皮は「冬瓜皮」といい、利尿作用がさらに強い。
※種は「冬瓜子」といい、痰や膿をとって肺をきれいにする。また、利尿効果が高いため、排尿困難、むくみ、膀胱炎などで尿が濁ったときなどにも。
※夏が旬のなのに「冬瓜」というのは、皮が堅くて夏に収穫したものが冬までもつから。
<平・甘/肺/大腸・膀胱>
肺を潤し、痰を取り除き、咳を鎮める作用が。利尿、通便にも働くため、デトックスにも役立つ。
※豆乳には、脂質代謝に欠かせないビタミンB2が含まれ、皮脂分泌をコントロールする働きがあります。また、女性ホルモンに似た作用のある大豆イソフラボンも。女子力UPと美肌効果が期待できます。
<寒・甘/脾・胃・大腸>
体の余分な熱を取り除く。消化機能を助け、胃腸を元気に。潤いを補い、乾燥を癒す。肺の熱をとって咳、喘息を鎮めたり、便秘、むくみにも。糖尿病の食養生にも勧める。
<平・甘/脾・胃・大腸・肝・腎・膀胱・心・小腸>
体にこもった余分な熱を穏やかに冷まし、停滞した水分を取り除く。水分代謝を促す作用があるので、むくみや尿の出が悪い人におすすめ。消化機能を主る「脾」と、呼吸をつかさどる「肺」を元気にしてくれる。
※とうもろこしの髭は「ナンバンゲ/玉米鬚」といい、利尿効果にすぐれています。健康茶として飲まれるほか、漢方生薬としても用いられます。
<微寒・甘・酸/肝・脾・胃>
体を冷やして、余分な熱を取り除き、潤いを生み出して渇きを癒す。消化機能に働きかけるため、夏の食欲不振におすすめ。
※トマトの赤い色は「リコピン」という抗酸化成分。ガンや動脈強化の予防、美肌づくりに役立ちます。
※美白、コラーゲン生成、皮脂抑制などの効果があるビタミンCが豊富。トマトのビタミンCは熱に強い!
※むくみを予防するカリウム、脂肪代謝にかかわるビタミンB6も豊富。
※ヨーロッパでは「トマトが紅くなると医者が青くなる」といわれるほど、健康・美容にいい食材です。
<涼・甘/脾・胃・大腸>
血が熱を帯びて起こる出血症状に。利尿効果もあり、むくみの解消にもおすすめ。
※なすの皮の紫の色素は、ポリフェノールのひとつのアントシアニン。強い抗酸化作用があり、生活習慣病予防や肌老化防止に。
※へたは悪性のできものに用いる。
※体を冷やす作用があるため、温性の食材と組み合わせて。冷え症の人はとりすぎない。
<温/甘/脾・胃>
「気」と「血」の両方を補う食材で、疲れ、食欲不振、めまい、貧血、イライラ、精神不安など、さまざまな用途で効果が期待できる。薬効が高く、「大棗」としてさまざまな漢方薬にも使われている。
*中国や韓国ではポピュラーなドライフルーツ。美容にいい食材として知られ、「一日3個のなつめを食べれば年を取らない」といわれています。
●食べ方
そのまま食べる、煮だしてお茶にする、スープやおかゆに入れるなど。ヨーグルトにつけると柔らかくなって食べやすい。
*なつめ味噌
日本人には食べなれない食材なので、調味料にアレンジ。なつめ100g、味噌100g、酒大さじ3~4を混ぜて1~2日寝かせて「なつめ味噌」に。炒め物の味付けや、焼き野菜にのせて。
<温・辛、肺・胃>
菜の花はからし菜と同種の野菜として分類される。「肺」に貯留した余分な水(痰)を取り除き、呼吸器官を調整する働きが。独特の苦味が特徴で、肝の働きを助け、気血の巡りをよくするという説もある。中国の古い文献には、産後の治療など婦人科系の病気に用いたとする記載が存在。
<温・辛/肝・胃・腎>
陽気を巡らし、おなかを温める。冷えによるおなかや腰膝の痛みに。滞った気を下し、鬱血した血を散らす(下気散血)。吐血、鼻血、血尿、不正出血に。食欲増進、疲労に。
*別名「起陽草」「壮陽草」
*ほてりやのぼせのある人は控えめに。
*『古事記』『万葉集』に薬草として登場
*香り成分であるアリシン(硫化アリル)には、ビタミンB1の吸収率を高めたり、当分の分解を促進する働きが。
<寒・甘・辛/肺>
水の停滞によってできる「痰」を取り除く作用があり、薬膳ではリンパ節腫のしこりや甲状腺腫などにすすめる。熱を取り除き、尿の出をよくする。むくみ、脚気、不眠や皮膚病にも。
*甲状腺機能障害の治療では、海藻類の摂取は慎重に行う必要があります。治療中の人は医師の指示にしたかってください。
<涼/甘・淡/肺・脾・胃>
利尿効果があり、余分な湿気を取り除く作用が。消化機能をつかさどる「脾」を元気にする。むくみやニキビなどの肌トラブルに。
*皮つきのものをはとむぎ、種皮を取り除いたものを薏苡仁といいます。薏苡仁は漢方薬の材料としても用いられています。熱を取り除く作用があるため、夏場のむくみに◎。
●食べ方
スープの具として加えるのが最も手軽。5~20分程度煮込むとやわらかくなります。プチプチとしておいしい! また、自然食材店で売っているハトムギ粉なら、小麦粉がわりに使えます。
<寒・甘・鹹/肺・胃・肝>
潤いを補い、水分代謝を促す。不要な水分(痰)を取り除き、体内にできた塊を柔らかくして散らす作用も。糖尿病、むくみ、咳、痔などに◎。
<温・甘/肝・肺・大腸>
潤いを補ってめまいの症状をケアする。肺を潤して空咳を止めたり、腸の乾燥による便秘対策にもおすすめ。
※松の実は油が酸化しやすいため、少量づつ買ってできるだけ早めに使い切ります。
<平・甘・鹹/肺・脾・大腸>
陰(潤したり、熱を冷ましたりする力)を補い、乾燥を潤す。虚弱体質、空咳、便秘などに。
※栄養学的には、糖質や脂質をエネルギーに変える際に必要なビタミンB1、B2が豊富。
※豚肉でも「ハツ(心臓)」、レバーは血を補う補血類に属します。
<平・甘・鹹/肝・脾・胃・腎>
陰(折る忍足、熱を冷ましたりする力)を補い、おなかを元気にする。加齢によるほてりや乾燥、高血圧、消化不良に。中医学では、甲状腺腫大にも用いる。
<温・辛・苦/脾・肺>
気の巡りをよくし、脾胃の気滞によるおなかの張り、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢に。水分代謝の失調によって生じる痰を取り除く働きもあり、痰の多い咳、胸苦しさ、喘息にも勧める。
※漢方生薬の陳皮はみかんの皮を乾燥させたもので、古いほど薬効も価値も高いとされています。3年以上のものが陳皮。
<涼/辛/肺・肝>
発汗させて熱を冷ます作用があり、かぜで発熱したときに用いる。熱が上に上がって起こる頭痛や目の充血、のどの腫れにも。さわやかな香りのある食材で、イライラして胸苦しいときにも有効。
※熱のかぜ薬「銀翹酸」、イライラを抑える「逍遥散」など多くの漢方薬に配合されています。
<平・甘/脾・肺・腎>
「気」を補うパワーがある補気の食材の中で、「陰」も補い「肺」「腎」に入るのが大きな特徴。そのため、老化防止にいい食材として知られる。消化機能が弱い人の下痢や、空咳、加齢による頻尿、遺精、帯下にも用いる。
※乾燥させたものは「山薬(さんやく)」といい、漢方生薬として用いられます。
●食べ方
生をすった「とろろ」がポピュラーですが、加熱調理によりレパートリーが広がります。じゃがいも代わりに味噌汁、肉じゃがに。すりおろしてスープに入れたり、牛乳や豆乳でといてホワイトソースにしたりも。
*長芋のレモン漬け
長芋の皮をむき、拍子木切りにし、塩を振って軽くもみ、さっと洗う。国産レモンの絞り汁1個分、リンゴ酢(または酢)大さじ2、はちみつ大さじ2をまぜておき、山芋とレモンの皮の千切り少々を入れて1日漬ける。
3日程度保存がきく、さわやかな常備菜に。
<寒/甘・酸/胃・肺>
「気」の巡りを助け、特に消化をつかさどる「脾」「胃」の働きをサポートする。消化不良、痰の多い咳、二日酔いなどに。
※日本では、冬至の柚子湯など温めイメージの強い柚子ですが、中医薬膳では冷やす作用があるとされています。
<微寒/甘/心・肺>
ユリ科植物の根で、乾燥させたものは漢方薬に使われる。潤いを補う滋陰類の食材で、「肺」の乾燥による空咳、痰が切れない症状に有効。精神安定作用もあるため、「気」の高ぶりによるイライラや不眠にもいい。
<大熱(温)・甘/腎・脾・肝・胃>
温める力「陽気」を補うとともに、老化によって低下する腎の働きを助ける。ひどい冷え症、冷えによる腹痛、疲れ、足腰の痛みや虚弱体質の下痢などに。
※熱性が高いので、かぜをひいたとき、熱っぽいときは控えます。
※妊娠中の方も控えめにするのがよいとされています。
<温/辛・苦/肺・胃・大腸>
「気」の流れを促す「理気」食材の代表格。喘息、咳、脾胃の気の滞りによる下痢に。おなかを温める作用もあり、胸部、背中の冷痛緩和、胸苦しさを解消する。
*「気」を巡らせる力、温める力が強いため、過食は控えるべき。食べ過ぎるとげっぷ(曖気)が出やすくなるといわれています。
*らっきょうの塩漬け
薄皮をむいたらっきょうと唐辛子をガラスの保存瓶に入れ、塩、酢、水で1週間~10日間漬ける。塩漬けのまま保存する場合は冷蔵庫へ。塩抜きして料理に。
*らっきょうの甘酢漬け
らっきょうの塩漬けを丸1日水につけて塩抜きし、ざるに上げて干す。これと唐辛子を保存瓶に入れ、水、酢、砂糖(1:1:1の分量を一度沸騰)で漬ける。
<寒/甘/心・胃>
豆類の中で冷やす作用をもつ緑豆は、尿の出をよくして体内にこもった熱を取り除く。夏の暑気あたりで下痢をしたときやニキビに用いる。
※緑豆もやしの原料。
●食べ方
ごはんと一緒に炊きこんだり、おかゆに入れたり。甘く煮てぜんざいにしてもおいしい。
<平・酸・甘/脾・胃>
酸味の収斂作用によって、毛穴を引き締め汗を止める働きがある。汗のほか、下痢、多尿、咳、出血、おりものなどを止めるのにも有効。潤いを生み出し、口やのどの渇き、暑さを癒す。妊娠のつわりや、胎動不安にも用いる。
*レモン塩
国産のレモンをよく洗い、櫛形に切るかスライスする。レモンの1割程度の天然塩を用意し、熱湯で洗った保存瓶に、レモン⇒塩と交互につめていく。1か月以上熟成させれば出来上がり。調味料代わりに使える。水で割り、ハチミツを加えて熱中症対策に飲むのもおすすめ。
<寒・甘、心・脾・胃>
生食なら出血を止めたり、潤したりする作用が、十分に加熱すると消化を助けたり、「血」を増やして美肌に導く作用がある。下痢、疲れ、貧血にもおすすめ。レンコンの節の部分「藕節(ぐうせつ)」は収斂止血薬。
※レンコンにはムチンというネバネバした糖たんぱく質が含まれ、これが皮膚や粘膜を潤し、丈夫にしてくれます。鼻や目の粘膜を強くするため、花粉症にいいとされています。もちろん美肌効果も!
*れんこん汁
生のまますりおろし、絞り汁を飲みます。甘くて少し土っぽい味がします。れんこん、梨、くわい、麦門冬、芦根のしぼり汁を合わせたものは「五汁飲」といい、熱病で肺、のどの渇きがひどいときに用います。
*すりれんこんの味噌汁
レンコンをすりおろし、汁ごと味噌汁に入れます。加熱するとトロトロになり、甘味が増します。写真は、茗荷、ガゴメ昆布、レンコン入り。