<寒露>以降は「きれいのための24の薬膳2」をご覧ください
9月21日 <秋分>
昨日まで真夏の暑さだった気温が、今朝はやや肌寒いほど涼しく…。<秋分>は、まさに暑さと寒さの変わり目。自然界では、昼と夜の長さがほぼ同じになります。秋の特徴である乾燥がますます激しくなり、冷たい風とともに体内へ。のどや目が乾燥してムズムズしたり、空咳が出たりするのは体の乾燥注意報と考えてください。
汗をかく夏も、乾燥がひどい秋も、どちらも水分・潤い補給は重要。ただし、暑かった残暑の時季と涼しくなってくるこれからの時季とでは、潤す方法が少し異なります。潤す性質(滋陰作用)のある食材には体を冷やすものが多いので、できるだけ冷やす作用のないものを選ぶことを心がけましょう。
●肺を潤す「滋陰潤肺」の食材を選ぶ
~卵、白ごま、白きくらげ、乳製品など
●寒涼性の食材は、加熱調理する
●温め効果のある食材を組み合わせる(ただし、辛味食材は乾かす性質があるので控えめに)
【材料】(2人分)
白きくらげ(銀耳) 3g
梨 1/2個
氷砂糖 10g
ハチミツ 大さじ1
枸杞子 30個
【作り方】
①白きくらげは水に浸して戻す。梨は皮をむき芯を除いて2cm角に切る。枸杞子は水に浸して戻す。
②水2カップを鍋に入れて沸かし、白きくらげ、氷砂糖、ハチミツを入れて柔らかくなるまで煮る。
③②に梨を入れて10分煮る。
④枸杞子を加え、常温に冷ましてからいただく。
ONE POINT⇒白きくらげ(平/甘・淡/肺・胃・腎)は、肌や肺の乾燥に有効。美肌食材としても知られています。梨(甘・微酸/涼/肺・胃)は、呼吸器を潤して炎症(熱)をおさめます。枸杞子(平/甘/肝・腎)は、潤いを与える食材で特に目のトラブルに◎。風にあたると涙が出るようなドライアイの人におすすめ!
※中華薬膳では非常にポピュラーな料理。梨も加熱して食べます。
【材料】(2人分)
卵 2個
黒きくらげ 3g
きゅうり 1本
ねぎ 1/2本
しょうが 1/2片
サラダ油 大さじ1
塩 少々
酒 小さじ1
オイスターソース 小さじ1弱
ごま油 少々
【作り方】
①黒きくらげは水で戻し石づきをとっておく。きゅうりは縦半分に切って乱切り、しょうがは斜め薄切り、しょうがは5mm角の薄切りにする。
②卵を割りほぐし、酒、塩各少々を加えて混ぜたら、フライパンにサラダ油をしいたところに流しいれ、ふんわり焼いていったん上げる。
③フライパンにサラダ油を温め、しょうが、きゅうり、黒きくらげを炒める。油が全体に回ったら、ねぎ、卵を加え、塩、酒、オイスターソースで味つけする。火を止めて、ごま油を回し入れる。
ONE POINT⇒卵(平/甘/肺・心・脾・肝・腎)は渇きを癒し、精神を安定させる作用が。とくに咽喉の渇きにおすすめです。黒きくらげ(平/甘/胃・大腸)は、血液の流れをよくし、血をきれいにしてくれます。きゅうり(涼/甘/脾・胃・大腸)は、潤いを与え、熱を冷まします。皮膚の乾燥や赤みにも有効。冷やす作用があるため、加熱調理します。
9月7日 <白露>
朝夕の風が日一日と涼しく感じられます。<白露>は、すすきの穂が顔をだし、秋らしさが増してくる頃。日中の暑さと、朝晩の肌寒さで、体調を崩しやすい季節です。秋の冷風は、夏の熱風と違って乾燥しています。「涼しくて心地いい!」と感じるこの秋風が、実は曲者。暑さで開いた無防備な毛穴を直撃し、皮膚を乾燥させたり、体表のバリア機能を低下させたりするから要注意です。
かぜのウイルスが鼻やのどの粘膜から入り込むことでもわかるように、呼吸器(五臓の「肺」)は体の防衛機能と関わりがあります。中医学では、肌や粘膜も「肺」チームに属しており、乾燥を嫌う性質があります。「秋らしくなってきましたね…」という挨拶が交わされるようになったら、潤い補給を!
●潤いを補う滋陰食材を取り入れる
●五臓の「肺」を潤し、元気にする食材をとる
●潤いを逃がさないよう、毛穴を収斂する酸味を加える
【材料】(2人分)
豚肩ロース薄切り肉 160g
松の実 50g
オリーブ油 小さじ2
白ワイン 大さじ1
ハチミツ 大さじ1
アスパラガス 2本
塩・コショウ 少々
【作り方】
①松の実はフライパンでこんがり乾煎りする。
②アスパラは筋をとり、オリーブオイルを敷いたフライパンで焼く。
③フライパンにオリーブ油をしき、豚肉をのせたら片面に塩・コショウして両面焼く。
④肉を取り出したら軽くフライパンの汚れを拭き、白ワイン、ハチミツを入れる。アルコールが飛んだら塩で味を調える。
⑤皿に豚肉、アスパラを盛り付け、松の実を散らしたら④のソースを回しかける。
ONE POINT⇒豚肉(平/甘・鹹/脾・胃・腎)は、潤いを補う力が。松の実(温/甘/肝・肺・大腸)も豚肉と同様に潤す力のある食材で、アスパラガス(微温/甘・苦/肺・心・肝・腎)、ハチミツ(平/甘/脾・肺・大腸)と同様、呼吸器の乾燥による咳や、腸の乾燥による便秘に有効です。
【材料】(3人分)
杏仁豆腐ミックス 100g
牛乳 100㏄
キウイフルーツ 1個
ブルーベリー 30個
羅漢果シロップ 大さじ1
【作り方】
①杏仁豆腐は、市販の杏仁豆腐の素を使う。説明書通りの分量の熱湯を加えて攪拌し、牛乳を加えて混ぜたら、グラスに入れて冷やし固める。
②キウイフルーツは5㎜角に切り、羅漢果シロップ(ラカント 液状タイプ)を加えてマリネする。ブルーベリーも同様に。
③固まった杏仁豆腐に②をのせる。
ONE POINT⇒杏仁(平/甘/肺・大腸)は「きょうにん」と読み、肺を潤し咳や痰にいい食材、キウイフルーツ(寒/甘・酸)は熱を冷まし、肺を潤す性質があります。甘味料で使用した羅漢果(涼/甘/肺・胃)も潤す効果があって、肺や大腸に作用します。潤す効果が高く、秋に傷めやすい肺の力を補う食材の組み合わせ!
8月23日 <処暑>
<処暑>とは、自然界の暑気が息をひそめる頃という意味。それなのに最近の残暑といったらありませんね! 季節は秋、なのに体感は真夏の暑さ。体内のバランスが崩れ、体調を壊す人が多いのではないでしょうか。<処暑>の近辺は、自然界も予測不能。大型台風が猛威をふるったり、突然の雷雨に襲われたりします。肌の夏疲れをいやしながら、湿気対策も行いましょう。
残暑の暑さと、台風や低気圧にともなう湿気の冷え。両方が体に襲いかかる気候です。暑くて冷たいものばかりとりがちですが、そろそろおなかの冷えをケアする必要があるでしょう。消化機能をつかさどる「脾」「胃」は湿気に弱いので、体内の水分代謝を促すことが大切。食材の性質では、温性と涼性のものをバランスよく組み合わせることが肝心です。
●ハトムギ、とうもろこしなど水分代謝を助ける食材を。
(特にハトムギには美白効果が認められ、夏の終わりにおすすめ)
●「脾」「胃」を元気にする補気の食材を。
●熱を取り除く夏野菜も組み合わせる
【材料】(2人分)
コーン缶(クリームタイプ) 150g
かぼちゃ 100g
たまねぎ 1/2個
しょうが 1/2片
コンソメキューブ 1/2個
塩・こしょう 少々
【作り方】
①かぼちゃは皮つきのまま小さ目のざく切りにする。たまねぎはあらみじん切りに、しょうがはすりおろす。
②鍋にサラダ油をしき、たまねぎを透き通るまで炒める。かぼちゃ、水150ccを加えてかぼちゃが柔らかくなるまで煮る。
③②を冷ましてからフードプロセッサーにかけ、鍋にもどしたら、水100㏄、コンソメ、コーンを加え、2~3分煮る。
④塩・こしょうで味を調え、器に盛り付けたらしょうがをのせる。
ONE POINT⇒とうもろこし(平/甘/肺・脾・胃)は、熱をと取り除き、湿気をとる野菜でこの時季に最適。気を補うかぼちゃ(温/平/脾・胃)、温め効果のあるしょうが(微温/辛/肺・脾)とともに、消化器官を助けます。気を巡らす作用のあるたまねぎ(温/辛・甘/脾・胃・肺・心)を加えて、巡らす力もサポート!
【材料】(2人分)
・米 2/3カップ
・ひきわりハトムギ 1/3カップ
・鶏肉(皮なし) 100g
・きゅうり 1本
・みょうが 1個
・大葉 4枚
・しょうが 1/2片
・味噌 小さじ11/2
・だし汁 1カップ
・しょうゆ 小さじ1/2
・みりん 小さじ1/2
・白ごま 小さじ2
【作り方】
①ハトムギは2時間くらい水に浸しておく。研いだ米と合わせ、ふつうに炊く。
②鶏肉は小さ目に切り、カップ1の水、薄切りのしょうが(分量外)とともに火にかけてスープをとる。
③白ごまをすり鉢ですり、味噌、だし汁、しょうゆ、みりんを合わせてまぜ、②のスープを加えたら、氷で冷やす(でも冷やしすぎないこと)。
④きゅうり、みょうがは縦半分に切ってから薄切りに、大葉は千切りにする。ここに冷めた③を少しずつ注いで味をなじませる。
⑤器にハトムギごはんを盛り、鶏肉をのせ、④のスープをかける。
ONE POINT⇒ハトムギ(涼/甘・淡/肺・脾・胃)は、利尿効果があってむくみ予防に。美白、ニキビにも効果的。熱をとって潤いと与えるきゅうり(涼/甘/脾・胃・大腸)にも肌を潤す効果があり、合わせることで美肌作用がUP。気を補う鶏肉(平/甘/脾・胃)、芳香化湿(香りの効果で湿気を散らす)の香味野菜で、夏バテぎみのおなかを養います。
8月7日 <立秋>
オリンピックイヤーの今年の夏は、例年に増して暑さが厳しい模様。しかし、暦の上では今日から秋に入りました。中国医学では、秋は乾燥の季節。暑さと暑さで水分を失われた夏の体をしっかりケアしないと、秋になって肌あれや便秘に陥るから要注意です。この時季は、熱を体に溜め込まないこと、しっかり水分を補給することを心がけたいですね!
家の中にいても大量に汗をかいてしまうこの頃。汗をかいたらしっかり水分補給しましょう。トマト、きゅうり、ゴーヤ、スイカなど、熱を冷まし、乾きをいやしてくれる夏野菜やフルーツがおすすめです。潤いを補う性質のあるゴマ、乳製品、豚肉も◎。
●余熱を取り除く夏野菜、フルーツを
●潤いを補う食材(卵、乳製品、豚肉、ゴマ、貝類など)を
●冷やしすぎないよう、温性のものをプラス
【材料】(2人分)
そうめん 2把
フルーツトマト 2個
おくら 2本
茗荷 1個
大葉 6枚
白ごま 適量
すだち 1/2個
めんつゆ(ストレートタイプ)150ml
【作り方】
①沸騰した湯でそうめんを2分間湯で、氷水にとってキッチンペーパーで水気をとる。
②フルーツトマトはざく切り、茗荷、大葉は千切り、おくらはサッとゆでて小口切りにする。
③ボウルにめんつゆに②を加えて混ぜ、①を入れてよく和える。器に盛り付け、ゴマを散らし、1/4にカットしたすだちを添える。
キレイのポイント⇒そうめんは小麦(涼/甘/心・日・腎)が原料。穀類の中では涼性なので夏向きです。トマト(微寒/甘・酸/肝・脾・胃)は、熱をとり解毒効果が。潤す力もあるから真夏に最適です。オクラ(涼/辛・苦/肺・肝・胃)には消化を助ける作用が。潤す効果のある白ごま(平/甘/肺・脾・大腸)をたっぷりかけ、温め食材の大葉(温/辛/肺・脾)、茗荷(温/辛/肺・大腸・膀胱)をプラス。
【材料】(2人分)
ゴーヤ 1/2本
島豆腐 1/2丁
スパム 100g
卵 2個
めんつゆ 大さじ1
万能ねぎ 3本
かつおぶし 適量
【作り方】
①ゴーヤは縦半分に切って種とワタをとり、5㎜厚さに切る。スパムは5cm長さの拍子木切りに、万能ねぎは小口切りにする。
②ゴーヤに軽く塩をふってもみ、沸騰した湯で2分程度ゆでる。(薄く切った場合は、そのままでもOK)
③鍋にごま油を熱し、ゴーヤ、崩した島豆腐、スパムを入れて炒める。豆腐に少し焦げ目がついたら、具材をよせて空間をつくり、溶き卵を入れる。
④卵がふんわり固まってきたら、めんつゆをまわし入れ、ばんのうねぎを散らす。器にもり、かつおぶしをのせる。
キレイのポイント⇒ゴーヤ(寒/苦/心・脾・胃)は、熱を取り除く性質が大。紫外線をいっぱい浴びた日は特におすすめです。豆腐(寒/甘/脾・胃・大腸)も、熱をとり潤す効果のある食材。おなかの調子も整えます。スパムは豚肉(平/甘・鹹/脾・胃・腎)は、肉類の中でも潤す効果のある肉。夏バテに最適です。
7月22日 <大暑>
子供たちにとって、待ちに待った夏休みが到来! 一年で最も暑いころ<大暑>を迎えました。暑さはこれから本格的に。夏バテしないよう、上手に涼をとりながら、体を滋養したいものです。夏本番ではありますが、暦のうえでは夏も後半戦。8月初旬に<立秋>を迎えますから、今は夏の終わりの「土用」にあたります。日本ではうなぎを食べるのが恒例。パワーのつく食べ物もしっかり取り入れていきましょう。
暑さが厳しくなってくると、食欲が減退してあっさりしたものばかり食べたくなります。また、ゼリーやアイスクリームなど、冷たくてのどごしのいいスイーツを食べすぎることも。確かに冷たいものはおいしいのですが、お砂糖の甘い味や冷たいものは「脾」を傷める原因に。熱を取り除くなら野菜やフルーツなど自然の食材で清熱しましょう。おなかを温める食材も適度に組み合わせて!
●瓜類、トマト、スイカなど寒涼性の野菜、果物をとる
●おなかを温める食材、「気」を補う食材も
●生もの、甘いものをとりすぎない
【材料】
●ミニトマト 8~12個
●はちみつ 大さじ1
●レモン 1/2個
【作り方】
①鍋に湯を沸騰させ、ヘタをとったトマトを入れる。20秒くらいおいたら冷水にとり、皮をむく。
②レモンは果汁をしぼり、はちみつと合わせて混ぜる。
③トマトを②で和え、保存容器に入れて一晩つける。
ONE POINT⇒トマト(微寒/甘・酸/肝・脾・胃)は、熱を冷まして潤いを補う性質があります。西洋栄養学的には、抗酸化力のあるリコピンが豊富で、紫外線を浴びた体の活性酸素対策になります。レモン(平/酸・甘/脾・胃)は、汗止め作用があり、トマトと同様に乾きをいやす効果が。美肌効果を期待できる組み合わせです。
【材料】2人分
鶏もも肉 150g
なす 2本
にんじん 1/2本
白瓜 1本
ピーマン 1個
サラダ油 大さじ1/2
酒 小さじ1
白だし 小さじ1
砂糖 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
大葉 8枚
【つくり方】
①鶏肉は食べやすい大きさに切る。なす、白瓜は縦半分に切って乱切りに、にんじんは1cm厚さの半月切りに。
②フライパンに油をしき、鶏肉を皮目から焼き付ける。全体に色が変わったらなすを入れ、しんなりしたら白瓜、ししとうを入れて炒める。
③酒、白だし、砂糖、水200㏄を加えて15分程度煮て、最後にしょうゆを加える。盛り付けたら、千切りにしてさらした大葉を散らす。
ONE POINT⇒作用の異なる夏野菜を組み合わせています。なす(涼/甘/脾・胃・大腸)は、血液にこもった熱をとりおなかを健康に。白瓜(涼/甘/脾・胃・大腸)は熱をとりのぞき潤いを補います。ししとう(熱/辛/心・脾)はおなかを温め消化を助け、にんじん(平/甘/肺・脾・胃・肝)は「血」を補い乾燥対策に。おなかにパワーをつける鶏肉(平/甘/脾・胃)との組み合わせで、夏バテを吹き飛ばして!
7月7日 <小暑>
梅雨明けが近づいてきました。30℃を超える日がちらほら現れ、素足にサンダルで出かける日が増えてきていませんか? デパートを歩いてみると、日傘、帽子、サングラスを購入する人がいっぱい! 女性たちは、今からおしゃれに、暑さ対策の準備を始めているようです。この時季、体の中も夏本番に向けて準備を整えておきましょう。肌に、体に栄養を届ける「脾」の働き(消化機能)を整えておくことが大切です。
梅雨の時季におなかの調子を崩す原因は、①冷たいもものの食べ過ぎ、②油っこいもののとり過ぎ、③湿気が及ぼす悪影響の3つ。これらがおなか(脾・胃)にダメージを与え、下痢をしたり、消化機能が低下したりします。脾は食べ物を消化して体の栄養をつくり、届ける働きをもつので、ここが健康でないといくらいいものを食べても効果は半減してしまいます。特に冷たいビールが好きな人は、おなかを傷めない工夫を!
●水分代謝を整える食材(冬瓜、ハトムギ、とうもろこしなど)をとる。
●消化をつかさどる「脾・胃」を元気にする食材をとる。
●冷たいもの、油っこいもの、味の濃いもの、甘いお菓子は控えめに。
【材料】(2人分)
冬瓜 250g(1/8個)
かぼちゃ 250g(1/8個)
ししとう 4本
<煮汁>
だし汁 1カップ
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1
みりん 大さじ2
薄口しょうゆ 大さじ1
塩 少々
【作り方】
①冬瓜は皮をむき、かぼちゃは皮つきのまま、大き目の一口大にカットして面取りする。
②沸騰した湯に塩少々を入れ、冬瓜を下ゆでする。漉き取ったら冷水にとって水気をふき取る。
③煮汁を鍋に入れて沸かし、かぼちゃ、②を入れ、落し蓋をして弱火で5~6分煮る。
④半ば火が通ったらししとうを加えてひと煮し、そのまま冷ます。
ONE POINT⇒かぼちゃ(温/甘/脾・胃)は、弱った消化機能を元気にします。冬瓜(涼/甘/肺・大腸・小腸・膀胱)は、水分の代謝を整える働きがあり、むくみに◎。おなかを温める作用のあるししとうもプラスし、油を使わずに調理しています。
【材料】(2人分)
おくら 8本
山芋 100g
だし汁 200㏄
薄口しょうゆ 大さじ1
みりん 小さじ1
塩少々
【作り方】
①オクラはへたをとり、塩もみしてから沸騰したお湯で1~2分ゆで、冷水にとる。
②山芋は皮をむいておろす。
③①のうち1本を飾り用に残し(小口切りにする)、残りをフードプロセッサーにかけてとろとろになるまで攪拌する。
④鍋にだし汁、調味料を入れて沸かし、③を加えて泡だて器で混ぜながら溶かす。
⑤器に入れたら、②を浮かべ、小口切りのオクラをのせる。
ONE POINT⇒オクラ(涼/辛・苦/肺・肝・胃)は、消化を助け、胃腸の働きをサポートします。山芋(平/甘/脾・肺・腎)は、消化機能を助け、気・血を補う働きが。夏バテ対策におすすめの食材です。
6月21日 <夏至>
最近、日が長いな~と思ったら、もう<夏至>。日中の時間が最も長い<夏至>は、一年の中で陽気が頂点に達する日です。日の出が早く、日暮れが遅いので、日中を有効に使って活動的に動き回りたいところですが、残念なことに日本の<夏至>は梅雨の真っただ中。雨は多いし、晴れてもジメジメうっとうしく、逆に体調を崩す人が多いようです。こんな時季は、パーッと汗をかいてジメジメを発散させましょう!
湿気がこもると、体がだるくなって気分も憂鬱になります。晴れた日は積極的に歩いたり、雨の日はお部屋の掃除をしたり、まめに動いて汗をかくことを心がけましょう。だるくても、少し動いて汗をかくと、体も心も軽くなります。食事でも、発汗作用のあるものをとるのがおすすめ。湿気によっておなかの調子を崩すこともあるので、脾胃を元気にする食材も取り入れて。
●香りのよい食材、辛味のある食材で発汗を促す
●水分代謝を促す豆類、トウモロコシなどをとる
●消化機能を助ける芋類、カボチャ、キャベツなどをとる
【材料】(2人分/6個)
山芋 250g
トウモロコシ 100g
青ネギ 50g
小麦粉 大さじ3
塩 少々
七味唐辛子 適宜
【作り方】
①山芋は2/3をすりおろし、1/3は5㎜角切りにする。青ネギは小口切りにする。
②すりおろした山芋にふるった小麦粉を入れてよく混ぜ、山芋の角切り、トウモロコシ、青ネギ、塩を加えて混ぜ合わせる。
③フライパンに油を熱したら、②をカレースプーンでおとして広げ、両面をこんがり焼く。
④器に並べたら、好みで七味唐辛子をふる。
ONE POINT⇒山芋(平/甘/脾・肺・腎)は、おなかを元気にする食材で、梅雨時に多い下痢予防にもなります。トウモロコシ(平/甘/脾・肝・腎)は、水分代謝を促します。ねぎ(温/辛/肺・胃)には、毛穴を開いて発汗を促す働きが。香りのいい七味唐辛子をふることで、発散作用をUP!
【材料】(2人分)
油揚げ 1枚
みょうが 2個
新しょうが 50g
長ネギ 1/2本
コリアンダー 1株(根も)
<ドレッシング>
オイスターソース 小さじ11/2
ナンプラー 小さじ1
酢 小さじ1
ごま油 小さじ1
白ごま 小さじ1
【作り方】
①油揚げは5cm長さの細切りにし、フライパンでカリッとするまでから炒りする。
②みょうがは縦半分に切って斜め薄切りに、ねぎは斜め薄切りに、新しょうがは斜めにスライスしてから千切りにし、それぞれサッと水にさらす。コリアンダーは5cm長さに切り、根はみじん切りにする。
③ドレッシングの材料にコリアンダーの根を入れて混ぜる。
④ボウルに①②を入れて混ぜたら、ドレッシングで和える。
ONE POINT⇒みょうが(温/辛/肺・大腸・膀胱)、新しょうが(微温/辛/肺・脾)、長ネギ(温/辛/肺・胃)、コリアンダー(温/辛/肺・胃)は、体を温め汗を出す「辛温解表」というグループに属する野菜。汗で発散させるので、うっとうしい季節の重くてだるい体をリフレッシュさせます。油揚げの豆腐(寒/甘/脾・胃・大腸)は、水分代謝を促す食材。すべての食材に消化機能を助ける働きがあるので、梅雨時の消化不良の予防にも。
6月5日 <芒種>
西日本から、梅雨入りのニュースが聞こえてくる季節。そういえば、最近、今にも降り出しそうな空模様が続いています。<芒種>は、稲や麦のような穂をもつ作物の種を植える時季。日本の気候からすると「ちょっと遅いのでは?」と思いますね。二十四節気は中国から伝来した暦。雨季が夏の後に訪れる黄河流域とは、暦が少しずれるのかもしれません。さて、梅雨は日本人にとって要注意の季節。四方を海に囲まれた日本は、湿気を含んだ海風を受けているため、日本人は元来、湿気に弱い傾向があるのです。梅雨入りの声が聞こえてきたら、体も除湿対策を始めましょう。
湿気は水分なので、冷たく、重たい性質があり、体にたまると冷えやむくみの原因になります。ためこまないためには、冷えに注意すること、運動不足やストレスを解消して体内の巡りをよくすることが大切です。
●湿気を取り除き、水分代謝を促す食材をとる
●生もの、甘いもの、冷たいものを控える
●足首のストレッチなどで筋肉を使う
【材料】(2人分)
米 1合
あさり(むき身) 80g
枝豆(さや付) 100g
薄口しょうゆ 大さじ11/2
酒 小さじ1
大葉 3枚
みょうが 1/2個
【作り方】
①米は研いでざるに上げておく。
②炊飯器に米、あさり、薄口しょうゆ、酒を入れ、水を加えて通常通りに炊く。
③枝豆は柔らかめの塩ゆでにして(約5分ゆでる)、さやから出したら豆の周りの薄皮もとっておく。大葉、みょうがは千切りに。
④炊き上がったらごはんをほぐし、枝豆を加えてサッと混ぜる。
⑤器に盛ったら大葉とみょうがをのせる。
ONE POINT⇒枝豆(平/甘/脾・胃・大腸)は、水分代謝を高め利尿作用のある食材。紫蘇(温/辛/肺・脾)と茗荷(温/辛/肺・大腸・膀胱)は、毛穴を開いて発汗させる作用があります。いずれも余分な水分をとる“除湿”に有効。あさり(寒/甘・鹹/肺・腎・脾・胃)は、のどに詰まる痰をとる効果があるので、梅雨時の風予防になります。
【材料】(4人分)
豆乳 200cc
木綿豆腐 100g
メイプルシロップ 大さじ4
アーモンドエッセンス 少々
粉ゼラチン 4g
マーマレード 大さじ2
オレンジジュース 大さじ1
【作り方】
①豆乳、豆腐、メープルシロップをフードプロセッサーにかけてなめらかにする。
②粉ゼラチンに大さじ3の水を入れて電子レンジで20秒加熱し、スプーンで混ぜてふやかしておく。
③①に②、アーモンドエッセンスを加えてよく混ぜる。混ざったら、氷の入ったボウルにボウルごと入れ、静かに混ぜながら冷やす。
④とろみがついたら器に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
⑤マーマレードにオレンジジュースを加えて混ぜておく。(とろみがほしいときは、お湯でふやかしたゼラチン少量を加える)
⑥固まった④に⑤をかける。
ONE POINT⇒豆乳(平/甘/肺・大腸・膀胱)は、利尿効果のある食材。豆腐(涼/甘/脾・胃・大腸)は、むくみにいい食材です。体を冷やす性質があるのでこれからの季節におすすめです。かんきつ類のオレンジ(涼/甘・酸/胃・肺)は、さわやかな香りで湿気を発散させてくれます。これも湿気の季節のおすすめ食材!
5月21日 <小満>
気温がどんどん高くなり、草木が成長して生い茂りだす季節。私たちの服装も薄着になり、日中は半袖で過ごすことが増えてきました。これからの時季、女性は、襟元が開いた服や素足のファッションが活躍し始めますね。薄着になって俄然、気になりだすのが首や胸元の素肌。服に隠れていてお手入れ不足だったせいもあり、くすみや乾燥が目につくのではないでしょうか? 夏本番前に、今からきちんとお肌のケアしておきましょう。
肌のかさつきは、体の「血」と「津腋(水分)」の不足によるもの。スキンケアだけでなく、食事でも潤いを補ってあげましょう。
● 「血」を補う食材をとる
●潤いを補う食材をとる
●紫外線対策と保湿で肌の潤いをキープ
【材料】(2人分)
豚バラ肉 400g
赤ワイン 400㏄
にんじん 1/2本
たまねぎ 1/2個
セロリ 1本
にんにく 1片
チキンブイヨン 1個
塩・こしょう 少々
イタリアンパセリ 適宜
【作り方】
①豚肉は大き目にカットし、全面に塩・こしょうをふる。野菜や粗めのみじん切りにする。
②鍋にオリーブオイルを入れたら肉を入れ、肉の全面に焼き目をつけていったん上げる。
③同じ鍋に野菜を入れ、しんなりするまで炒める。
④肉、ワインを加えて弱火で煮込む。
⑤煮汁が1/10程度になったら、肉がかぶるくらいの水、チキンブイヨンを加えてさらに煮込む。
⑥2時間くらい煮込み、肉に竹串がスーッと通るようになったら出来上がり。
ONE POINT⇒豚肉(平/甘・鹹/脾・胃・腎)は、肉類の中でも潤いを補給する性質のあるもの。赤ワイン(平/甘・酸/脾・肺・腎)と組み合わせることで、「血」と「津液」の両方を補える美肌メニューになります。
【材料】(2人分)
にんじん 1/2本
レーズン 50g
ツナ 1缶
A:レモン汁 小さじ2
オリーブオイル 小さじ2
塩・こしょう 少々
ディル 少々
【作り方】
①にんじんはスライサーで1.5cm幅の薄切りにする。
②Aの材料を混ぜてドレッシングをつくる。
③にんじん、レーズン、ツナをボウルに入れ、②のドレッシングを加えてあえる。盛り付けたら飾りにディルを散らす。
ONE POINT⇒にんじん(平/甘/肺・脾)と干しブドウ(平/甘・酸/脾・肺・腎)は、「血」を補う代表的な食材です。汗ばむ季節になってくると、汗によっても体の潤いが奪われます。レモンなど酸味のあるものを組み合わせることで、収斂作用によって汗の出過ぎを防ぐことができます。
5月6日 <立夏>
暦の上では今日から夏。夜明けの時刻がますます早まり、活動的な陽気が旺盛になってきます。自然界では、木々が勢いよく成長する時季。私たちも、スポーツをしたり、レジャーに出かけたり、アクティブに過ごすのが正解です。ゴールデンウィークで遊び疲れた人は、連休明けからも精力的に活動できるよう、エネルギーを補給しましょう。
寒くもなく、暑くもなく、湿気も少ないこの時季は、非常に過ごしやすい気候です。体に力をつけるものをしっかりとり、活動のためのエネルギーをチャージしましょう。
● 「気」を補う肉類、穀類、イモ類をとる
●特に肉類は補気の力が強いのでおすすめ
● 「血」を補う食材を積極的に取り入れる
【材料】(2人分)
牛肉 120g
じゃがいも 1個
にんじん 1/2個
にんにんく 1片
アンチョビ 1尾
片栗粉 少々
塩・こしょう 少々
オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
①牛肉は細切りにし、塩・こしょうで下味をつけて片栗粉をまぶす。にんにくはみじん切りに、じゃがいも、にんじんは5㎜の細切りにする。
②フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて火にかけ、香がたったら牛肉を入れて炒める。色が変わったらいったん皿に上げる。
③フライパンにオリーブ油を入れ、じゃがいもとにんじんを炒める。しんなりしてきたらアンチョビを入れて炒め、最後に②を加えて炒め合わせる。
ONE POINT⇒牛肉(平/甘/脾・胃)は元気をつける食材。特に足腰にいいとされるので、体を使ったときにおすすめ。じゃがいも(平/甘/胃・大腸)も胃腸を元気にしてくれます。にんにん(平/甘/肺・脾)は「血」を補う食材。「気」「血を補う組み合わせです。
【材料】(2人分)
白いんげん豆(水煮)80g
合いびき肉 70g
なつめ 2個
干し椎茸 2枚
たまねぎ 1/2個
にんじん 1/3本
きゃべつ 100g
にんにく 1片
トマトピューレ 大さじ3
オリーブオイル 大さじ1
塩 小さじ1/2
【作り方】
①干し椎茸、なつめはもどしてみじん切りに、にんにくはみじん切りに、たまねぎ、にんじんは粗いみじん切り、キャベツは2cm大にカットする。
②鍋にオリーブオイルを入れ、にんにく、たまねぎを炒める。突き通ったら、ひき肉、にんじん、キャベツを順に入れて炒め、白いんげん豆、トマトピューレを加えて炒める。
③くたくたになったら塩で味を調える。
ONE POINT⇒白いんげん豆(平/甘/脾・胃)、きゃべつ(平/甘/胃・腎)、干し椎茸(平/甘/胃)はおなかを元気にする食材。なつめ(温/甘/脾・胃)は、おなかを上部にするとともに、「血」を補い精神を安定させる作用があります。野菜たっぷりでパワーをつける料理です。
4月20日 <穀雨>
田んぼに水が入り、農家では田植えの準備が整う頃。春の雨が多いこの時期、暦は春から夏への変わり目を迎えます。春夏秋冬の終わりの時期を「土用」といい、今はちょうど春の土用。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、昔の人は土用の時季に大きな仕事をするのを控えたといいます。中医薬膳では、土用の期間は脾胃(消化器官)を養うことが大切だと考えられています。GW前で何かと忙しい今、休暇を思い切り楽しむためにも、おなかにやさしい食事を心がけたいですね。
おなか(脾胃)を傷める原因は、暴飲暴食、冷え、生ものや甘いもの、脂っこいもののとりすぎなど。外食やお酒のおつきあいの多い人も、家で食べるときくらいは、温かくて消化のいいものを食べることです。おなかを元気にしたいなら、主食はパンよりごはんを!
1.蒸し物、スープものなど油を使わない温かい料理を
2.チョコレートなど、お砂糖&油脂たっぷりのお菓子は控える
3.腹七分目を心がけ、お酒もほどほどに
【材料】(2人分)
大和芋 100g
鶏ささみ 1本
片栗粉 小さじ1
フォー 140g
干ししいたけ 2枚
しょうゆ・砂糖 各小さ1/2
鶏ガラスープのもと 小さじ2
ナンプラー 小さじ1/2
塩 少々
粗挽き黒こしょう 適量
ねぎ 1/3本
しょうが 1/2片
三つ葉 20g
【作り方】
①鶏ささみ、大和芋、片栗粉、塩少々をフードプロセッサーにかける。
②鍋に湯を沸騰させ、①を丸めてゆで、取り出しておく。
③干し椎茸は水で戻してから薄切りに。しょうゆと砂糖で煮含める。
④フォーはぬるま湯でもどしてから好みのかたさにゆでる。
⑤鍋に水500㏄を入れ、鶏ガラスープのもと、ナンプラー、塩で味付けする。
⑥フォー、団子を入れて温まったら、器に盛り、ねぎ、しょうが、三つ葉をのせて、粗挽きこしょうをたっぷりふる。
ONE POINT⇒山芋(平/甘/脾・肺・腎)は、おなかを元気にし、潤いも与える食材。鶏肉(平/甘/脾・胃)もおなかをいたわり、滞りをとってくれます。干し椎茸(平/甘/胃)は、弱った胃におすすめ! お米でできたフォーは、そばやパスタよりおなかにやさしい麺です。ねぎ、しょうがなど薬味をたっぷりのせれば、さらに消化機能をサポートできます。
【材料】
かぼちゃ 200g
はちみつ 小さじ11/2
甘栗 4個
干しぶどう 20g
いんげん豆 20g
※サラダ用のレッドキドニービーンズ使用
【作り方】
①かぼちゃは皮をむき、大き目にカットして柔らかく蒸す。蒸し上がったらマッシャーでつぶし、はちみつを加えて練り混ぜる。
②①を半量ずつに分ける。半量は4等分にして手で丸め、手のひらに平らにのばしたら、真ん中に甘栗をのせておにぎりのように丸める。
③残りの半量には干しぶどうと豆を加える。1/4をラップの上にとり、茶巾絞りにする。
ONE POINT⇒かぼちゃ(温/甘/脾・胃)は、おなかを元気にする食材。栗(温/甘/脾・胃・腎)やいんげん豆(甘/平/脾・胃)にも同じような作用があります。干しぶどう(平/甘・酸/脾・肺・腎)には「血」を補う性質が。※忙しくてイライラするとチョコレートなどお菓子が止まらなくなることがあります。自然な甘みのかぼちゃや栗なら、間食でとってもおなかに負担がかかりません。
4月4日 <清明>
「清浄明潔」を略して<清明>。抜けるような青空に、桜の花がいっせいに開花する。<清明>は、そんな明るい春の日にふさわしい名称です。立春から2か月がたち、日差しがポカポカと暖かくなってくるこの頃。心も体も元気にパワーを発散させたくなりますね。それに合わせ、冬にためこんだ余計なものをすっきり排泄させましょう。良好なお通じと適度な発汗が、春のデトックスを手助け! 陽気が高まるこの時季は、体を冷やさないデトックスを心がけてください。
最大のデトックスは便通。消化のいいものをとり、お通じをよくしましょう。ただし、便秘に効く下剤には、体を冷やすものが多いのでなるべく頼らないこと。体を冷やすと、春の陽気の高まりを妨げてしまします。また、ごぼう、大根、こんにゃくなど、便通にいい食材には体を冷やす寒涼性の食材が多いので、とるときは温め作用のあるものと組み合わせましょう。発散の季節である春は、発汗を助けることもデトックスにつながります。
1.消化のいいものを食べる
2.体を温めるものを組み合わせる
3.適度な運動を
4.むくみやすい人は利尿作用のあるものもプラス
【材料】(2人分)
かぶ 3個
春キャベツ 1/4個
生タラ(切り身) 2切れ
ねぎ 1/2本
にんにく 1片
オリーブ油 大さじ1
片栗粉 大さじ1
豆乳 150㏄
塩・こしょう 適量
【作り方】
①生タラは3等分に切り、塩・コショウして片栗粉をまぶす。かぶは葉を切り分けて2等分に、キャベツは大き目のざく切り、ねぎは5cm長さに、にんにくはみじん切りにする。
②フライパンにオリーブ油を熱し、にんにくを炒め、香りだたったらタラとねぎを焼く(タラは崩れないように)。
③別の鍋にきゃべつ、かぶを入れ、水100㏄と塩少々を加えて火にかける。フタをして15分程度蒸し煮する。
④きゃべつがしんなりしてカサが減ったら、上にタラ、ねぎを置き、さらに10分煮る。
⑤豆乳、かぶの葉を加えてひと煮し、塩・こしょうで味を調える。
ONE POINT⇒かぶ(平/辛・甘・苦/心・肺・脾・胃)には消化を助けおなかの脹りをとる働きが。葉にも力があるので、捨てずに食べること。きゃべつ(平/甘/胃・腎)は、胃腸薬の名前のとおり胃を助けます。ねぎ(温/辛/肺・胃)は体を温め発汗を促します。豆乳(平/甘/肺・大腸・膀胱)には利尿・通便作用があるのでデトックスに◎。
【材料】(作りやすい分量)
パイナップル 150g
しょうが 1片
はちみつ 150g
※好みでシナモンスティック
またはシナモンパウダー
【作り方】
①パイナップルは5㎜角に切る。器に入れたらはちみつを注ぎいれ、1晩漬け込む。水分が出てさらさらになったら出来上がり。
②果肉ごとカップに入れてお湯を注ぎ、おとししょうがを加える。好みでシナモンをプラスして。
ONE POINT⇒パイナップル(平~微寒/甘・微酸/胃・膀胱)は、消化を助け、お通じをよくします。はちみつ(平/甘/脾・肺・大腸)は腸を潤して便通をスムーズに。しょうが(微温/辛/肺・脾)は体を温めて発汗を促します。※濃さ、しょうがの量は好みで調整します。汗ばむ季節になったら、水や炭酸水で割ってアイスで飲んでもOK。
3月20日 <春分>
今日は<春分>の日。今日から、昼間の時間が日に日に長くなっていきます。春分をはさんで7日間が春の彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますから、寒さが厳しかった今年の日本も、次第にぽかぽか陽気になってくることでしょう。中医学で、春は五臓の「肝」の働きが活発になる季節といわれています。「肝」は、ストレス、目、筋と関係の深いところ。「肝」の働きが亢進し過ぎると、目の充血が起こったり、精神が不安定になったりするから要注意です。できるだけリラックスを心がけ、「肝」の「気」を落ち着かせましょう。
何かと忙しい時期ですが、心と体に負担をかけないことが大切。残業やおつき合いなどの予定を詰め込み過ぎないようにしましょう。「肝」が亢進し過ぎると消化機能を傷つけるので、消化のいおなかにやさしいものを食べて。
1.「肝」を落ち着かせる食材をとる
2. 香りのいい食材で「気」の流れをよくする
3.「脾」(消化機能)を補う食材をとる
【材料】(2人分)
鶏ひき肉 160g
干し椎茸 2枚
にんにく 1片
しょうが 1/2片
ごま油 小さじ1
酒 小さじ1
砂糖 小さじ11/2
しょうゆ 小さじ1
オイスターソース 小さじ1
みょうが 1個
ねぎ 1/2本
大葉 5枚
香菜 2株
ごはん 2膳分
白ごま 適宜
【作り方】
①干し椎茸は水で戻し、にんにく、しょうがとともにみじん切りにする。みょうが、ねぎ、大葉な千切りにして水でさらす。香菜や葉をちぎる。
②フライパンにごま油を熱し、にんにく、しょうがを炒める。香りがたったら鶏ひき肉を入れ、酒、砂糖、しょうゆ、オイスターソースを順に加えてポロポロになるまで炒める。
③器にごはんを盛り付けたら②をのせ、さらした薬味をのせ白ごまを散らす。
ONE POINT⇒みょうが、ねぎ、大葉、香菜(温/辛/肺・脾)は香りのいい食材で、「気」の巡りを助けます。鶏肉と米(平/甘/脾・胃)には、消化機能を司る「脾」を元気にする力が。ストレスで胃を傷つけやすい季節にとりたい食材です。 ※牡蠣には心神不安を和らげる効果があるので、味付けはオイスターソースで。
【材料】(2人分)
はまぐり 大6個
菊花(乾燥) 少々
枸杞子 20粒
クレソン 3株
酒 小さじ1/2
白だし 小さじ1/2
※白だしはものによって塩分が異なるので分量は加減する。
【作り方】(2人分)
①はまぐりは薄めの塩水につけて砂抜きする。枸杞子は水で戻す。
②鍋に水、はまぐりを入れて火にかけ、貝が開いたら酒、白だしを入れて2~3分煮る。
③器に入れたら、乾燥の菊花と枸杞子を散らし、クレソンの葉をちぎって添える。
ONE POINT⇒はまぐり(寒/甘・鹹/肺・胃・肝)は、潤いを与えて巡らす働きのある食材。亢進した「肝」の熱を冷まし「気」の巡りを助けます。菊花(微寒/辛・甘・苦/肝・肺)と枸杞子(平/甘/肝・腎・肺)は目にいい食材の代表。この時季に多い目の充血やドライアイにおすすめです。
3月5日 <啓蟄>
<啓蟄>とは「冬眠していた虫がもぞもぞと土から出てくる時季」という意味です。一雨ごとに暖かくなり、今週は春一番が吹くとの予報。虫たちだけでなく私たち人間も、陽気に誘われて活動的な気分になりますね。でも、こんな素敵な季節を憂鬱になる人も……。そう、暖かくなると飛び出す花粉の問題です。中医学では、春は「風(ふう)」の季節。「風」の邪気が体に入ると、むずむずとしたかゆみの症状を引き起こすといわれています。悪い「風」を防ぐには、体のいちばん外側で外敵の侵入を防いでくれる皮膚を丈夫にし、免疫機能を補うことが重要です。
花粉症で厄介な鼻水や、目の粘膜のかゆみは、五臓の「肺」と関係があります。免疫力を担う「気」を補いながら、肺の力をサポートする食材をとりましょう。ストレスがたまると免疫力が低下しますから、できるだけゆったり過ごすことも大切です。
1.免疫力を担う「気」を補う
2.肺を潤し、元気にする食材をとる
3.ストレスや睡眠不足に注意する
【材料】(2人分)
長芋 150~180g
玉ねぎ 1/4個
椎茸 3枚
マッシュルーム 4個
舞茸 1/2パック
ベーコン 2枚
牛乳 100㏄
塩・こしょう 少々
オリーブ油 大さじ1/2
ピザ用チーズ 適量
【作り方】
①長芋はすりおろす。きのこは食べやすい大きさに切る。玉ねぎは薄くスライスする。
②鍋に長芋と牛乳を入れて火にかけ、木べらで混ぜながらトロミがつくまで煮る。塩・こしょうで味を調える。
③フライパンにオリーブ油を熱し、ベーコン、玉ねぎを炒める。しんなりしたらきのこを加え、白ワインをふって炒める。
④耐熱容器に③を入れ、②を上からかけたらとろけるチーズをのせてオーブンで焼く。
ONE POINT⇒山芋(平/甘/脾・肺・腎)は、肺を潤しおなかを元気に。免疫力UP効果があります。食物繊維が豊富なきのこも、免疫力を高める食材として知られています。山芋のホワイトソースは、時間がたつと水っぽくなるので、作り置きせず使い切ってください。
【材料】(2人分)
アスパラガス 5本
サラダ用ミックスビーンズ 1/2缶
デコポン 1個
ソーセージ 3本
クレソン 3株
<ドレッシング>
オリーブ油 大さじ1
デコポン果汁 大さじ1
マスタード 小さじ11/2
はちみつ 少々
塩・こしょう 少々
【作り方】
①アスパラは塩ゆでして5cm長さに切る。デコポンは薄皮をむく。クレソンは柔らかい部分だけちぎる。ソーセージはゆでて1cm長さに切る。
②ドレッシングの材料をすべてボウルに入れ混ぜておく。
③すべての材料を皿に盛り付けたら、②をかける。
ONE POINT⇒アスパラ(微温/甘・苦/肺・心・肝・腎)は潤いを与える食材で、皮膚のかゆみにおすすめ。クレソンとともに、皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAが豊富です。ミックスビーンズの主役、レッドキドニービーンズはいんげん(平/甘/脾・胃)の仲間。免疫力のもと「気」を補います。補った「気」を巡らすかんきつ類のデコポンとは相性抜群!
2月19日 <雨水>
<雨水>とは、空から降る雪が雨に変わり、大地の氷が解け始める季節。春一番の知らせが聞かれるのも、この時季です。しかし、今年の日本列島は豪雪続き。インフルエンザや風邪も流行し、体調を崩している人が多いようです。この冬、風邪をひいた人の中には、「治ったはずなのに喉のいがらっぽさがとれなくて…」という人が多いよう。これは、呼吸器が乾燥し、水分が停滞しているため、滞留物である痰が発生している証です。春はアレルギーが起こりやすい厄介な季節。その前に、体内の流れを整えましょう。
この時季のテーマは、冬から引きずっている不調の改善。そして、春本番に向けて体の中を活性化することです。春にふく強い風は、ほこりや花粉を運んできて肌や粘膜を痛めつけます。血行をよくし、肌に潤いを与えることは、春先の肌トラブル予防になります。
1.血液の流れをよくする食材をとる
2.咳や痰などにいい食材をとる
3.早起きして朝日を浴び、アクティブに過ごす
【材料】(2人分)
あさり 20個
春菊 60g
にんにく 1片
唐辛子 1本
白ワイン 50cc
オリーブ油 大さじ1
【作り方】
①あさりは塩水につけて砂抜きする。にんにくはみじん切りに、春菊は根元の太い部分を小口切り、葉の部分は4cm長さに切る。
②フライパンにオリーブオイル、にんにく、唐辛子を入れて火をつけ、香がたったらあさり、春菊の根元、白ワインを加えてフタをする。
③あさりの殻が開いたら春菊の葉を加えて再びフタをし、30秒ほど加熱したら出来上がり。
ONE POINT⇒あさり(寒/鹹/肝・腎・脾・胃)、春菊(平/辛・甘/肺・胃)は、ともに痰をとりのぞく効果のある食材。とくにあさりは、のどの乾燥を潤す効果があり、なかなか咳が抜けないときおすすめです。βカロテン豊富な春菊は、皮膚や粘膜を強くしてくれます。※あさりは冷やす作用があるので、温める性質のある唐辛子、にんにくを組み合わせます。
【材料】(2人分)
れんこん 150g
小エビ 6尾
銀杏 8個
きくらげ 3枚
塩 少々
A(あんの材料)
だし汁 100cc
しょうゆ 小さじ1/4
みりん 小さじ1/4
水とき片栗粉 適量
【作り方】
①れんこんは皮をむいてすりおろす。銀杏は、紙の封筒に入れてレンジで1分半~2分ほど加熱し、皮をむいておく。小エビは背ワタをとって3等分、きくらげは水でもどし千切りにする。
②すりおろしたれんこんは、水気を絞らずに塩少々を入れ、エビときくらげを混ぜる。
③②を2等分してスプーンで丸くまとめたら、耐熱容器に並べ、銀杏をのせる。これを蒸し器で4分程度蒸す。
④Aの材料を鍋で煮たて、水溶き片栗粉でとろみをつける。
⑤蒸しあがった3を器に盛り、4をかける。
ONE POINT⇒れんこん(寒/甘/心・脾・胃)は、加熱することにより血を補う作用や美肌効果が高まります。きくらげ(平/甘/胃・大腸)には、血行を促進して血管をきれいにする働きが。空咳がある人のために、銀杏(甘・苦・渋/平/肺・腎)をプラス。
2月4日 <立春>
厳寒と豪雪のニュースが毎日のように流れる日本列島。でも、二十四節気では<立春>を迎えました。万物を陰と陽に分類する中医学では、季節も陰と陽に分類。春と夏は陽、秋と冬は陰の季節と考えます。冬から春に変わる節目にあたる<立春>は、季節が陰から陽に切り替わる時季。チューリップの球根が、土の中で小さな芽を出すように、体の中に小さな春の力が芽生える季節なのです。
寒い冬の影響で、冷え、血行不良、水分代謝の低下が起こっているかも。体内のめぐりがわるくなることで、肌のくすみや乾燥が目立つ季節です。冷えは、春本番に向かって高まる陽の気の成長を妨げます。体を温める食べ物をとり、体の「冷え疲れ」をケアしましょう。
1.陽の気の成長を促すよう、体を温める
2.甘味、辛味のものをとる(温める力、補う力がある)
3.食べ物を消化し、栄養を全身に届ける「脾」を養う
【材料】(2人分)
ねぎ 1本
たまねぎ 1/2個
じゃがいも 1個
オリーブオイル 大さじ1
豆乳 1カップ
固形コンソメ 1個
塩・白こしょう 少々
万能ねぎ(飾り用)
【作り方】
①ねぎは斜め薄切りに、たまねぎはスライスする。じゃがいもは半分に切って5㎜厚さに切る。
②鍋にオリーブオイルを入れ、ねぎとたまねぎを透き通るまで炒める。
③じゃがいもを入れたらひたひたになるくらい水を入れ、固形コンソメを加えて柔らかくなるまで煮て、火を止める。
④③をミキサーにかけ、豆乳(牛乳でもよい)を加えて温め、塩・白こしょうで味を調える。
ONE POINT⇒ねぎ(温/辛/肺・胃)は温め効果が。じゃがいも(平/甘/胃・大腸)は元気を与える効果が。たまねぎ(温/辛・甘/脾・胃・肺・心)は、めぐらす力のある食材です。この3つで体を温め、元気をつけ、滞りをなくすという3つの作用が!
【材料】(2人分)
生鮭 2切れ
いんげん 8本
スナップエンドウ 8本
白みそ 大さじ11/2
練り白ごま 小さじ1/2
牛乳 小さじ1
太白ごま油 小さじ1
粉山椒 少々
塩・酒 各少々
【作り方】
①鮭に塩・酒をふり、10分おいたら水気をふき取る。
②いんげん、スナップエンドウはすじをとって塩ゆでし、水にとる。
③白みそ、練り白ごま、牛乳を合わせてソースをつくる。
④フライパンにごま油をしき、鮭をソテーする。
⑤焼きあがった鮭、いんげん、スナップエンドウを盛り付け③をかけ、最後に山椒の粉をふる。
ONE POINT⇒鮭(温/甘/脾・胃は、おなかを温める作用のある魚なので、冷えの気になる人におすすめ。)山椒(熱/辛/脾・胃・腎)も温め作用が強く、特に冷えたおなかに効きます。いんげん(平/甘/脾・胃)には気を補う作用、スナップエンドウ(平/甘/脾・胃)には、補った気をめぐらす作用が。冷えによる血行不良は、美容の大敵。鮭と山椒で温める力を強化しましょう。 白ごま(平/甘/肺・脾・大腸)は肌の乾燥や便秘に◎。